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2011年5月 8日 (日)

そば処、鶴喜さんの灯

祖父の妹であるお祖母さんが亡くなった。
105歳と11ヶ月。
大津市最高齢。
彼女が生きた106年は、日本の歴史上、
最も劇的に進化し、変化を遂げた106年ではないだろうか。
彼女の子供の頃に、
大津の坂本にはまだ電気は無い。
初めて電気が灯ったのは、そば処の鶴喜さん。
明るくて、珍しくて、毎日見に行ったそうだ。
電気が無いのだから、当然のことながら、
テレビも冷蔵庫も洗濯機も無い。
電車も無く、大津の学校まで船で通ったそうだ。
余談だが、祖父の頃は坂本から膳所まで毎日徒歩くしかなかったと聞く。

坂本を離れ、大阪に住んだ頃、
戦火で家を消失し坂本に戻った。
戦争の最中では食料も無いが、
今では溢れている。
それに、
彼女が成人する頃まで、いやもっとかも知れないが、
「薬屋」が無かった。
つまり、今みたいに気軽に薬を飲んだり、
医者にかかることが出来なかったのである。
弱い人は幼くして亡くなる運命にあった状況なのだ。

それから、
電車が走り、
自動車が走り、
テレビが映り、
家電製品があふれ出す。
電話など大変な代物である。
ましてや携帯電話など。

改めてこの106年の変化を思う。
今現在、当たり前の様に便利なものは何も無かったのだ。
でもそれは不自由な暮らしだったのだろうか?
いやむしろ不自由が当たり前で、
便利になればその数だけ、我々若い世代は大切な何かを引き換え失って行った。
そんなことも見ていたのだろう。

鶴喜さんに、初めて電気が灯った。
そんな言葉一つが想い出になる。

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コメント


続きが待ち遠しくて夢中になりました。
うちでウサギを飼っているので、ミミちゃんが可愛らしくて(笑)
ほっこりした気持ちになる素敵な小咄です。
是非、いつか湯郷温泉を訪れ黒豆ばっぽを、食べてみたいです(^^)

投稿: 藤井 美紀 | 2011年12月11日 (日) 21時44分

藤井様、
コメント有難うございます。
ミミちゃんの小咄気に入って頂きまして
嬉しく思います。
HPには記載していませんが、
パン屋さんのお話をYou Tube上にアップしています。
さらにまた続きも制作していますので今後も宜しくお願いします。

投稿: 濱田 | 2011年12月15日 (木) 20時05分

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