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2009年1月

2009年1月15日 (木)

小豆粥(エッセイ)

1月15日、小正月。
早朝。
まだ薄暗い中、風花が舞う。
ほころびた臘梅も雪を頭に乗せ、じっと我慢の様子。
暖房を点けてない部屋は息が白い。

小正月には、
昔ながらの習わしがある。
小豆粥。
小豆と餅をお粥の中にいれたものを食べるのである。
一年間の邪気を払い、万病を除くと言われる、平安時代から習わしである。

小豆粥を京風に言うと
「あずのおかいさん」
柔らかで、温もりを連想させる。
寒さの中、温かな粥。
食べる前に、
お椀を両手で持ち、手を温める。
そして、
季節を感じながら食す。

昔ならこの日が成人式。
小正月の別名に若正月と言うところから来てるのだろうか。
また、どんど焼きをする地域も多いだろう。
この日までにいろんな行事をし、正月気分を一掃したのかも知れない。

こうした年中行事は、
近代社会においては、
年々無くなって来てるのかもしれない。
別に、七草粥や小豆粥で無病息災を祈らなくても、しめ飾りなどはどんど焼きにせず、ゴミ箱に捨てることもあるだろう。
しかし、
こうした節目節目に、
季節や節季を感じる食べ物や行事をすることによって、
少しだが、生活にめり張りが出来るように思われる。

季節を大切にし、
無病息災を祈る日本の年中行事。
自然と共に生きてきた古人の知恵と感謝の現れなのだろう。

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2009年1月 7日 (水)

色と香りの記憶(エッセイ)

色と香りの記憶(エッセイ)
色と香りの記憶(エッセイ)
安心する色。
秋の淡い紅葉の色。
ろうそくの炎の色。
夕焼けの色。
朝日のような力強さはない、どこか懐かしい色。
疲れた心を包み込むような、温かな色。
甘い蜜柑の色。
甘い渋い柿の色。
そして、
小鳥のヤマガラの胸の様な、フワフワと柔らかな色。

家の窓からぼんやりと灯かりが洩れる。
それは、
蛍光灯でもなく、
100ワットの裸電球でもない。
60ワットのオレンジ色。

子供の頃、
遊び疲れて
学生の頃、
部活にバイトに
そして
社会人になっても
この色を見ればホッとする。
それと同時に、
煙突から出る、薪風呂の煙り。
夕飯の匂い。
色と香りの記憶。

違う町並みに居ても、
どこかで、ふと懐かしさを感じることがある。
それは、
何かが、
言葉では言えない何かが、
色と香りの記憶にシンクロするからかも知れない。
懐かしさの記憶。
ほとんどの人に知らず知らずのうちに刻み込まれた、色と香りの記憶。

家に、
灯かりが灯る。
この家に
灯かりが灯り続ける。
ただそれだけが
なんと幸せなことか。
そして、新たに
「色と香りの記憶」を、
次世代に繋げられたら、
これほど素敵なことはないだろう。

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